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2019.09.30ブログ

レイアウトは「見やすさ」だけでなく「エクセルでの集計・分析のしやすさ」が大事

同じ「表」といっても、レイアウトによってエクセルでの集計や分析に向き・不向きがあることをご存知でしょうか?

企業にはさまざまな表が存在しています。
同じ内容でも、まとめた人によってレイアウトが異なることも多々あります。

項目ごとの小計を入れてみたり……
同じ項目のセルを結合してみたり……

「見やすさ」を意識してレイアウトを整えたとしても、実は、集計や分析には向かない場合があるのです。

今回は、「エクセルでの集計や分析に適した表のレイアウト」について解説します。

 

エクセルでの集計や分析に適した表のレイアウトとは


この章では、3つのエクセルの表をご紹介します。

どれも中身は同じで、
・いつ
・どの店舗で
・どの商品が
・何個
・いくらで売れたか
という内容が並んでいます。

ただ、それぞれレイアウトや並び順が異なります。


まず1番目は、小計が入った明細票です。
店名ごとに数量と金額の小計が計算され、最終行には総合計が計算されています。


2番目は、一部のセルが結合された明細票です。
見やすいように、同じ店名・同じ商品名のセルが結合されています。


そして3番目は、ただデータが羅列されただけの明細票です。
小計もなく、セル結合もされていません。

これらの明細票を使って、店名ごとに売上を集計したいとなった場合。

上記の3つの表で、もっともエクセルでの集計に適した表はどれだと思いますか?

1~3まで、すべて表の中身は一緒だから、どれも同じでは?
そう思った方は、今まで知らず知らずのうちに遠回りな集計作業をしていた可能性があります。

答えは、3番目の、ただデータが羅列されただけの表です。

これ以外の表は、エクセルでの集計・分析の際に少々不都合が出てしまいます。

いったい、どのような不都合が出るのでしょうか。

 

小計行やセルの結合は、エクセルでの集計・分析の邪魔になる可能性が


集計表は、このような形でまとめられています。



集計表のC列には、下記の数式が入っています。

=SUMIF([シート名]!$C$3:$C$33,集計表!B2,[シート名]!$F$3:$F$33)

この数式を解説すると、
[シート名]のC列(店名)の値が[集計表]のB列の値と一致したら[シート名]のF列(金額)を合計する
となります。

これにより、各[シート名]の店名ごとの金額合計を集計しようというわけですね。

1番目の、小計が入った明細票の場合、範囲指定の際に小計行を除く作業が発生します。
そもそも明細票に小計行が入っているわけですから、集計表自体不要といえるかもしれませんが、明細と小計が混在している表よりも、店名ごとの合計金額だけの表のほうが見やすいですよね。

それでは、2番目の、セルが結合されている明細票の場合はどうでしょうか。

実は、セルが結合された箇所は、先頭のセルだけにデータが入っていて、ほかのセルは空欄になっています。


たとえば、大阪のセルを見てみましょう。
C3セルからC10セルまでが結合され、大阪と表示されていますね。

しかし、セル結合を解除してみると……


C3セルにのみ大阪の文字が入り、C4セルからC10セルが空欄になっていることが分かります。

人間にとっては、C3セルからC10セルまでがすべて「大阪のデータですよ」と見えますが、エクセルにとっては、実はC3セルしか「大阪のデータですよ」と見えていないわけですね。

ですから、先程の計算式をそのまま使ってしまうと、大阪の合計金額は7,000円と計算されてしまいます。

これでは、正しくデータを集計することができませんよね。

 

エクセルで集計や分析を行う際は、シンプルな表を心がけましょう


明細票単体で見ると、きれいにまとめられて分かりやすく感じる1番目・2番目の表ですが、
エクセルで集計や分析を行おうとすると、さまざまな不都合が発生することがお分かりいただけたかと思います。

ピボットテーブルを使えば、より簡単に集計ができますが、こちらでも同様の問題が発生してしまいます。

エクセルで集計や分析を行わない、という前提があるなら別ですが、その表を元に集計や分析を行う可能性がある場合には、こうしたポイントに注意するようにしましょう。

何も考えず、身近にある表を元に作業をしていると、思わぬところで無駄な作業が発生したり、正しく集計できない可能性があります。

どんな表を使うかで日々の作業効率が変わってきますので、エクセルで表を作成する際には、レイアウトにも注意しましょう。